AusJapanMate’s Blog

おもに海外(オーストラリア)での妊活(妊娠・体外受精・IVF)と日々のあれこれ

Story 17 新しい先生にバトンタッチして、初めての定期診察

前回のStory16から、丸3か月間が経過してしまいました。その当時は、ちょうど新型コロナウイルスの話題が大きくなり始め、僕の住むオーストラリアでも、世間が少しざわついてきた頃。もちろん、勤め先も同様で、「うちらも、この先どうなっていくんだろう…」という状況で、ブログを書くどころの気分ではなくなってしまってました。ということで、3か月前に遡って、書き進めたいと思います。

 

最初にお世話になっていたGynecologist(婦人科医)の先生とは、前回の妊娠確認後の診断でお役御免となり、今回の定期診断から女医のObstetrician(産科医)になりました。ここからは、お腹の赤ちゃんを無事に成長させ、出産させることが目的となります。

 

さて、今回の診察は、前回の診察から1か月と少し経過した後のこと。まずは、エコーによる診断で、お腹の赤ちゃんを診ます。天井から吊るしてあるモニタに、エコー画像が映し出されます。ちなみに、エコーは、GE製(General Electric社)。この会社は、原子力発電所のタービンやら、飛行機のエンジンなんかも作っている世界最大のアメリカの総合電機メーカーです。医療機器だと、他に、MRIとかCTなんかも作ってますね。

 

話しをエコー診断に戻します。妊娠週数は、おおよそ10週目くらいでしょうか。エコーで見える赤ちゃんの体長を測ると、2.63㎝。僕の頭の中のイメージでは、産まれたてのピンク色の毛のないパンダの赤ちゃんが、ミルクを飲むためにお母さんパンダのおっぱいに向かって行くところの感じをイメージ。短い腕が見え、両脚はしっかりと見えます。エコー中に、両脚を上下するところを見ると、「あー、ちゃんと生きてる」って実感できます。それと、エコーを心臓にフォーカスさせると、小さい赤ちゃん特有の速い心音が聞こえてきます。172bpm(1分間に172回の心拍数)ということで、これも正常値。まだ妻も胎動を感じることだできませんから、こうしてエコーを見ることで、妻も僕もひと安心することができました。

 

とりあえず、安定期に入るまであともう少し。もちろん安定期に入ったからと言って100%安心できるというものでもありませんが、「もしかしたら流産してしまうかもしれない」という大きな不安は、安定期に入ることで解消されるのではと希望的観測です。

 

ここから、現時点での夫としての感想。やはり、自分の体の中に子どもを授かるわけではないので、エコーという形で実際に目視することによって、僕たち夫婦の子どもがいることをようやく実感し直すというのが正直なところ。しかも、エコーの中で赤ちゃんが動けば、なおのこと生きていることを見られるので、実感度がアップ。夫が妻の定期診察に付き合うことで、赤ちゃんの生死や成長に影響はしませんが、妻の現状を共有することや、エコーで生きていることを目視することで、父になることへの多少なりの認識やモチベーション向上、あとは親としての責任者の自覚を養うことができるような気がします。もちろん、人にもよるとは思いますが…。

 

なので、もし、奥様が夫に、診察に付き合ってもらいたい場合は、「あんたも責任者だから」と正論でお願いするのではなく、「お腹の中で動く赤ちゃんを見るのは、おもしろいよ」とか、「診察終わったら、おいしいものでも食べに行って、好きなお酒飲んでいいよ」くらいのカジュアルな感じで誘ってもらえると、夫としては重くならずに行きやすいかもしれません。ちなみに、僕たちが利用しているオーストラリアのクリニックですけど、どうもほとんどの奥様が一人で来ているように思われます。海外の男性は奥様に協力的なイメージがありますけど、ちょっと美化され過ぎているような気もしなくもありませんね。

Story 16 初エコー & 妊娠までお世話になった最初の先生はお役御免

受精卵の着床、すなわち妊娠判明から1か月後、診察と初エコーのためクリニックへ。

 

この時点では、エコーはよく見かけるT字の器具の先端にゼリーを塗ってお腹の上をさするタイプのものではなく、膣内に器具を挿入するタイプ。お腹の赤ちゃんは当然ですが、まだまだ小さく、この時点で長さ数センチ・重さも数グラム。僕は、妻が器具を挿入されている姿を見て興奮するような嗜好はないので、天井からぶら下がっているエコーの様子が映るモニタを見つめ、iPhoneのムービー録画をスタートする。

 

早速、エコーによる子宮内の診断がスタート。黒い丸の影の中(たぶん子宮)に、白い物体がなにやらいる模様。待望の赤ちゃんのようです。もちろんこの段階で人間や生物の形をしているはずもなく、まさに“何らかの物体”がそこにいる。でもそれが生きているという証明は、エコーである箇所にフォーカスすると、しっかりと一定のリズムの心音が聞こえてくる。生物の体をなしていないその物体は、ちゃんと心臓を持ち、しっかりと確実に動かしている。

 

(僕)「おおー、ちゃんと生きてる!」

 

先生も、胎児の心拍は健康で、いたって順調とのお墨付き。とにかく、ひと安心。そして、この妊娠検査をもって、Gynecologist(婦人科医)である先生の任務は終了。ぼくらにとっては1回目のIVFで成功し、とてもありがたい結果を導いてくれた先生にただただ感謝です。

 

ところで、この先生が採卵やら胚盤胞を子宮に戻す手術を実施したのだけれど、そこには技術や医師の腕というのは存在するのかな?先生を紹介してくれた知り合いの女性は、この先生によるIVFに失敗するも、その後、無事自然妊娠に成功。一方、僕たちは1回目で成功。どうにも、人工・体外受精は、体質やら運によるところが大きいように感じました。あとは、やっぱり年齢だよなー。若い=妊娠しやすい、ってことを、何度もしつこいですけど痛感。

 

診察の後、近くのカフェに行き、朝食。そこで妻が言っていたのは、胎児の心拍を聞いたとき涙が出ていたとのこと。あんまり子どもが好きそうではない妻が、自分が妊娠するとこうも変わるのかと驚き半分、納得半分。さきほど録画したムービーを見返して、とにかくIVFが成功して良かった、よくがんばったと感慨ひとしお。

 

と感動のストーリーで今回は終わるかと思いきや、そうはならず。エコーによる診断で僕たちの子どもが妻のお腹の中にいることが確認し、僕はその時はいたく感動しました。でも、それが終わると、僕の勝手な想像ですけど、夫と妻の間には意識の大きなギャップができているはずです。というのも、妻のお腹の中にはたしかに生物がいて、それを確実に感じている。でも、夫のほうは、とくに普段と変わらず。物理的に母親になっていく女性と、いつも通りの日常を過ごすのみで、いまだ父親にはなっていない男性。女性側からすると妊娠して身体も心も大変な時期に、のんきにのほほんと暮らしている夫を見ていると、ムカつくを通り越して殴り殺したくなると思いますけど、そうはいっても妊娠していないんだから、何にも実感もないので、そりゃのほほんとしちゃいます。こうした夫の態度を見てストレスを感じてしまう女性には、男性は妊娠を自分事として捉えることが無理なんだ。なぜなら、妊娠していないから。ということを理解しておいたほうが気が楽になると思います。

 

妊娠によって身体や心がしんどくなってしまったとき、旦那があんまりにも気が利かなかったり、頼りにならないと感じたときには、身体の状況説明やお願いごとや理論的に書いたメモや手紙が有効ではないかと思います。しかも、とにかく簡潔に。イラストなんかがあると、なお良しですね。

 

(例)

頭痛のとき⇒パナドール錠を近くの薬局で買ってきてくれると非常にありがたい。

お風呂場⇒すべって転ぶと流産の危険性があるので、滑り止めを都合の良い時に貼ってくれると母子ともども嬉しい。

食後の食器洗い⇒毎食後、かなり胸焼けがひどいので、食器を洗ってくれると助かる

食べたいもの⇒妊娠すると食べたいものがコロコロ変わるので、都度お願いさせてほしい。

迷惑かけて申し訳ないけど、いつも助かってます。ありがとう。

(本心でなくても、OK。相手を気にかけた仕事的な用語とちょっと思いやりのある言葉で、男をうまくコントロールしてください。とにかくビジネスライクが成功の鍵!)

 

つづく。

Story 15 妊娠判明後の過ごし方 夫は何気ない振りを装って、早く安定期が来ることを願っていた(笑)

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ウォーキング中に出会ったゴシキセイガイインコ


さて、約1年間の不妊治療の末、幸運にも1回目のIVF(体外受精)で妊娠という結果になりましたが、今度はその妊娠を維持できるかという不安に変わりました。前回も記載しましたが、やはり高齢妊娠は早期流産の確率が高い。妻は40歳。生物的に妊娠・出産はあらゆる面で厳しいという、自然な仕組みなんでしょうか。甘くないですね、高齢妊娠・高齢出産は。

 

僕は朝起きて、まず30分間家の周りをウォーキングします。帰ってきて、朝食を食べ、シャワーに入り、もろもろの準備を終えた後に、ストレッチと軽い筋トレと数分間の座禅を組むことを習慣としています。このストレッチや座禅のとき、妻の妊娠状態について、よく思いにふけりました。

 

「(安定期になるまでの) 3か月間って、意外と長いんだなー」とか、

「無事、3か月経過してほしいなぁ」とか、

「他の旦那も、こういう風な気持ちなのかなぁ」etc...

 

でも、何もできません。もちろん妻を労わることはできますけど、流産しないようにさせることの協力なんてできませんから、ただ安定期が来るのを待つのみ、の心境。それに、何かあったとしても医者も何もしようがないことは分かっていますから、お腹の赤ちゃんが安定期に向けて無事に育ってくれることを祈るしかありません。

 

何もできないとは言いつつ、『気にしていないふり』は、なんとなくしていたような気がします。変に期待されたり、プレッシャーをかけられても、妻もウザったいだけでしょうから、あまり妊娠に関することについては話さないようにしていました。そして、いつも通りの生活を送るのみ。

 

そんな中でやっていたのが、受精卵(胚盤胞)からの成長具合を想像すること。受精卵の大きさは、180μm(マイクロメートル)=0.18mm。わかることは、かなり小さいということ。そんなのが、最終的には50㎝くらいの胎児になっていくわけですけど、インターネットで調べて、今何週だから、サイズは数ミリだなとか。妻のお腹の中にいる赤ちゃんと呼べないほどの形や大きさの赤ちゃんのことを想像してました。以前に書いたと思うのですけど、妻が妊娠すると夫の男性ホルモン(テストステロン)が減少するというものを書きました。こういう妊娠状態の想像も、そのホルモン低下に一役買っているのでしょうか。

 

たぶんですが、安定期までは何にもすることがないように思えるのですけど、他のみなさんはどうなさっているのでしょう?食べ物に気を使ったり、軽い運動をするようにしたりするのでしょうか。夫としては、とくに手立てがないので、静観です。妻は、DHAやカルシウムのサプリメントを飲んでます。僕も、そのDHAサプリメントは妻が提供してくれるので飲んでます。オーストラリアはシーフードの種類が少なく、また鮮度もイマイチだし、第一高い!そういうわけで、どうしても肉食傾向になってしまいます。慣れてしまえば平気ですけど、やはり栄養面や健康への良さでは、魚介類のほうが勝っているような気がしますし、そして何よりレストランなどで食べる久しぶりのシーフードはおいしい!こういう環境なため、サプリメントがとても重要です。胎児に良いとされるオメガ3の摂取も、オーストラリアで魚介で新鮮なものとなると、サーモンくらいなものでしょうか。あとは、ナッツ類。こういうのは大人にも良い食品や栄養素なので、親も普通に食べたほうがいいですよね。

 

1mmよりも小さい卵が、いろんな過程を経て、赤ちゃんになっていく。やっぱ、すげーわ、自然界って。つづく。

Story 14 妊娠判明後からの心境…次なる不安

さて、前回は、無事着床したみたいで、妊娠という結果に至りました。妻の痛そうなIVF準備の一つである「自己注射」をしなくて済むので、それが良かったなぁとピントがずれた感想。お互い、とくにこれと言って大喜びとかはなく。

 

約1年前から不妊治療を続けて、子宮内膜症の除去手術やIVF(体外受精)に向けての準備と2度の手術。不妊治療のほとんどが妻の身体に対し実施され、幸運にも1回目で妊娠という結果に至りました。女性のように毎月来る生理が来なくなったといった自分の身体の変化があるわけでもないので、自分の子どもができたという実感はなく、予想外に次なる不安が押し寄せてきてます。

 

それは、このまま妊娠状態をちゃんと維持できるか、ということ。

 

妻は、40歳で初めての子どもを妊娠するという状態。インターネットで調べると、妊娠する確率も低いだけでなく、流産の危険性も非常に高く、5割の確率で流産してしまうらしい。こんなんだから、妻の妊娠成功を手放しで喜べない。たぶん、お互い言いませんでしたが、妻もおんなじ心境だったのではと思います。

 

僕たちが20歳代で、普通に子作りをした結果の自然妊娠であれば、テレビドラマのような大喜びができたのかもしれない。でも、妊娠を確認した直後に、また次の心配が押し寄せて来て、不妊治療中に夫婦ともども健全な精神を保つことが簡単ではないことを、あらためて思い知らされました。

 

ようやく妊娠できたからと言って、何か特別なことができるわけでもありませんから、「階段の上り下りには手すりにつかまって!」とか、「お風呂場で足を滑らせないように気をつけて!」とか、エラそうに言うくらいなもんでしょうか。実際、妻に皿洗いをさせるとよく皿が欠けたり、家の中を歩いていてテーブルの角に足をぶつけて青あざを作るなんてことがしょっちゅう。ちょっと注意力が散漫なところがあるので、そのせいで流産したなんてことになったら、僕よりも妻本人自身のダメージが大きいのは目に見えてますからね。とにかく、安定期に入るまでの3か月間、無事に済んでほしいと願うばかり。

 

こんなときに思ったのは、「自然妊娠って、やっぱ、すごいし、神秘的!」ってこと。だって、僕たちはこれだけのプロセスを経てようやく妊娠に至ったわけだけど、これを普通に性行為をして、1回の射精で2~3憶個が放出されるも99%が子宮に到達する前にあえなく全滅。卵子まで到達できるのは、数十個から数百個。女性の身体の立場に立ったらこの機能は当然で、免疫機能の最たるものであり、外から侵入してくる精子はウイルスとか病原菌のようなものだから、必死になって精子の侵入を防ごうとする。それでもそんな難関を乗り越えて受精できる精子は、だたの1個。なんなんだ、この熾烈なドラマは!しかも、驚くことに、卵子はたった1個の精子を受け入れ受精すると、たちまち殻を纏う(まとう)ようになって、他の精子の侵入を一切受け付けなくなる。こうした精子にとっては熾烈な環境と猛烈な競争の中を生き延び一番に卵子にたどり着けるということは、すなわち元気に育つための前提条件を備えた精子で、その選抜作業が自然に行われるという、ここでも生物のデザイン(仕組み)のすごさに感動。

 

それよりなにより、今回も妻はがんばりました。

Story 13 胚盤胞(受精卵)の移植、結果はいかに!?

前回は、胚盤胞(受精卵)の移植が完了したところまでをお話ししました。今回は、もちろん、その後の話。

 

妻は引き続き、膣内にホルモン剤を塗布しています。この薬は、もらった分が終わるまで続けなければならないそうです。自己注射で痛い思いをすることに比べたら、かなり気分的には楽そうです。

 

さて受精卵の移植が終わると、今度はちゃんと着床しているか、すわなち妊娠しているかが心配。こればかりは、運のみぞ知るという状況でしょう。妻はやることはやったという自負があるでしょうし、僕をそれをちゃんと見てきました。なので、やっぱり、うまく行ってほしいなぁとひそかに願っています。以前に話したスターウォーズの想いが強すぎるではないですが、2人ともお互い、期待していない素振りで日々を過ごしました。

 

ただ、やはり、妻のほうはどうにも心配な様子。僕も見かねて、市販の妊娠検査薬を試してみることを奨めるも、妻はどうも乗り気ではない模様。なぜなら、今も引き続き膣内にホルモン剤を塗布している状況では、正確な診断結果が期待できないからとのこと。

 

(僕)「そりゃ、そうかもな。そうかもしれないけど、居ても立っても居られないのなら、先に結果が分かれば、数日後の診断でがっかり具合を減らすことができるかもよ。」

 

夫としてできるのは、実際の診断で落胆することを予防する措置を提案するくらい。あとできることと言えば、行きたいところや食べたいものを叶えてあげるくらいでしょうか。そういうことで、甘やかしてあげるくらいしかできませんもんね。

 

あと、僕の憶測ですけど、やっぱり妊娠検査薬で結果を知りたくない。とくに悪い結果だった場合を想像すると、それはショックが大きいとも思ったんだと思います。それもわからなくもない。なので、余計に、夫としては「期待しない」ことしか言えません。

 

さて、そこから数日経過して、いよいよ妊娠状況確認の当日の朝。妻は、もう、本当に居ても立っても居られない様子。無理もない。去年から1年近く、妊娠に向けていろいろと頑張ってきましたから。

 

そこで、僕からもう一度、「診断結果が待ちきれないのなら、市販の妊娠検査薬を試してみな。」と助言。妻はホルモン値で正確な結果が出ないからと最初は拒んでいたものの、これ以上辛抱できないと自分で悟ったのでしょう。すかさず近くの薬局に出向き、2つの違うメーカーの妊娠検査薬を買ってきました。

 

このときの僕の心境。

「うまくいっているといいなー。でも、うまくいかなかったとしたらどうしようかなぁ。妻はがんばってたもんなー。けど、体外受精1回目でうまくいくなんて、虫が良すぎるかもなー。」と、うすぼんやりといろんな想いが頭の中を巡りました。

 

妻がトイレから出て来るや否や、

「Bullshit!!!! (牛の糞から転じて、嘘つき)」

 

(僕)「あー、ダメだったのね。どれどれ検査薬見せてごらん。」

 

よく映画やテレビのCMなんかでは、妊娠検査薬で妊娠が判明する場面では、赤いラインが入っているイメージ。妻から渡された妊娠検査薬には、検査窓の真ん中に青いラインが1本。たぶん、この青いラインの両端に、妊娠していると赤いラインが出てきたんだろうなー、と思いにふける。うーん、やっぱ、1回じゃうまく行きっこないね。がんばったけど、そうは問屋が卸さないってか。

 

で、もう一度、妊娠検査薬を見て、その検査窓の下の小さな説明書きを見る。

「青いラインが出たら、妊娠です」

 

あれ、妻よ、この妊娠検査薬を見る限り、君は妊娠しているって出ているけど、さっきの「Bullshit」は何だったんだい?僕にはちょっと理解できません。

 

妻は、検査結果が信じられない!ってことの「Bullshit!!!」だったようです。で、もう1つ別のメーカーの妊娠検査薬を試すと、今度は想像していたような赤い線が出ているではありませんか。

 

いくら妊娠検査薬の結果の確度が99%だとしても、所詮、素人の見立て。しかも膣内にホルモン剤を塗布している状況を鑑みると、その薬剤の影響がないとも言い切れないのも確か。僕からは、そうは言っても、完全にラインが出てこないよりかはましな状況であることで妻を諭し、クリニックへ。

 

結果は、「無事、妊娠」

 

さて、受精卵は、今の段階では着床して妊娠という結果になりましたが、そうなったらなったで、今度はその妊娠状態が無事に維持できるのかが心配になってくる。なんと人間とは現金で、心配性な生き物か…。

 

妊娠はしていたものの、今度は次の心配事に移っていったという心境というのが、僕らの正直な感想。でも、妻は、ひと安心してもいいと思います。

番外編 オーストラリアの山火事(Bushfires)の現状

今回は、今、日本でも話題になっているオーストラリアの山火事、Bushfires(ブッシュファイア)の現状について。

 

僕が住んでいるブリスベンという町は、オーストラリアで3番目の大きさの都市。1番は、もちろんシドニー。2番目はメルボルンブリスベンは、クィーンズランド州の州都。シドニーは、ニューサウスウェールズ州の州都。メルボルンは、ヴィクトリア州の州都。

 

数か月前には、ブリスベンから100㎞ほど離れたところでも山火事が頻発していて、僕が住んでいる場所のあたり一面が煙で茶色く濁っているなんてことが何日かありました。その影響で、急性のぜんそくになる人もいたようで、以前の職場の元同僚の人も、医者に煙によるぜんそくと診断されたようです。

 

なにせ雨が降らない。クィーンズランド州の愛称は、“Sunshine State(サンシャインステート:太陽の州)”と言われるほどで、年間の晴天率が300日以上と言われている。つまり、ほぼ毎日、晴れていると言っても過言ではありません。基本、晴れ。洗濯をするにはうってつけの天気だけど、さすがに雨、降らなさすぎ。ブリスベン近郊で山火事が頻発していたときは、3か月間くらいまとまった雨が降らなかった。

 

その上、オーストラリアの木は、かなりの油を含んでいるため、乾燥した天気が続くと自然発火してしまう。その証拠に、僕たちは週末によくハイキングに行くのですが、森の中の木がなぜか焼け焦げているのをよく見ます。もくもくと炎が出るほど燃えなかったとしても、猛暑の日は、おそらく自然発火してじりじりと焼けてしまったのでしょう。幸い、ブリスベン近郊は、年末くらいからまとまった雨が降り始め、超乾燥期間は収まり、同時に山火事の発生もほぼなくなりました。

 

現在、山火事がひどい地域は、ニューサウスウェールズ州とヴィクトリア州。雨が降らない上に、40℃を超える熱波がたびたび来ているようで、それが原因で山火事を頻発させている。ここ2か月くらいテレビのニュースは、そのあたりの山火事のことばかり。現在のオーストラリアの首相のスコット・モリソンはそんな中、クリスマス休暇にハワイに行って、非難轟々。ハワイから帰ってきて、被災地を訪ねるも、現地の人からは罵られるわ、握手を拒まれるわで、挽回するのは非常に困難な状況。まぁ、当然といえば当然の仕打ち。政治家として甘過ぎました。

 

そしてなにより今回の山火事の被害でひどいのは、人間よりも動物たち。10億匹の動物が今回の山火事で死滅したと言われています。また、オーストラリアは世界最大のラクダの繁殖地となっているとのこと。内陸の砂漠地帯には、100万頭以上も生息するとも言われている。そんなオーストラリアのラクダ、もともと増えすぎて問題だったが、今回の大規模な山火事で、より一層、“害獣” 扱いとなり、殺処分の対象になってしまいました。ラクダの大群は、水を求めて民家や入り込んで破壊したり、牧畜にも被害をもたらしているからとのこと。そこで、オーストラリア政府は、空(ヘリコプター)から撃ち殺して、個体数を減らすという計画。すでに5,000頭以上の殺処分を実施した模様。山火事被害は今は人間のほうが一大事だからか、オーストラリア国内では、ほぼ話題になっていません。かなり腑に落ちない措置だけど、オーストラリア人はそれでいいんかなぁと、つくづく思いました。(参照:AFP BB News)

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ラクダ牧場にて。アルパカに比べ穏やかな性格でした。

 

話しは戻って、オーストラリアの被災地や被災者の救済は何か?それは、日本の震災被害のときと同様、観光に来てお金を落としていくことだと思います。オーストラリア人は、本当に、日本や日本人に親しみを持ってくれているみたい。行く先々で、僕が日本人とわかると、「この前、日本に行ったよ」とか「今度日本に行くんだ」とか、「私の子どもが、日本にいる」などなど。そんなオーストラリア人に対し、今回の山火事の被害の救済措置として、オーストラリアに来て、食べて(少ないけど)、観光して楽しんで、多少のお金を落としてくれれば、それでもうお互いWin-Winの関係のいっちょできあがり!

 

みなさん、良かったら被災地支援がてら、オーストラリア遊びに来てください!

Story 12 受精卵は移植できるのか!? しっかり胚盤胞まで育ったのか!?

前回は、受精卵(胚盤胞)の移植前までのお話。妻のホルモン値が高かったため、このままだと数日後に予定されている移植はできないという診断。

 

そうこうしているうちに、移植日当日。今回も不妊治療センターに妻を連れていく。移植するしないにかかわらず。 僕はその足でいつも通り仕事へ。

 

前回の採卵のときのように本格的な手術ではなく、受精した胚盤胞を移植した後は、ふつうに仕事に行ってもよいという、かなりカジュアルな手術(?)

 

ただし、それは、移植ができたらの話。当日にも血液検査が行われ、数日前同様、ホルモン値が高ければ、移植は延期。

 

はたして結果は…問題なし!

 

ということで、無事、胚盤胞の移植が実施されたようです。あとで妻から聞いた話なのですが、受精卵を持ってきた看護師さんが、「この卵、発育が早いから、早く移植しないと!」と、かなり焦った様子で先生に手渡していたそうです(笑)

 

ひとまず、受精卵の移植まで終わりました。もうここまできたら、あとは “果報は寝て待て” の心境ですね。だって、もう、なーんにもしようがありませんから。でも、妻は、まだ膣内へのホルモン剤の塗布を続けなければならないようです。これは、妊娠状況を確認する1週間後まで続きます。

 

さて、採卵した卵子10個のうち8個が受精し、そのうち胚盤胞まで育ったのは、4個。今回の移植で1個を使ったので、残りの3個は冷凍保存します。今回の移植が成功しなかった場合は、この冷凍保存されたものを使用するという段取り。ただ、この冷凍保存も、タダではありません。最初の6か月間は無料で保管ですが、あとは6か月ごとにAUD250の費用がかかります。現在、日本円豪ドルのレートは、豪ドルが非常に弱いので、日本円で2万円弱といったところでしょうか。にしても、いろいろとお金がかかるもんです。

 

この胚盤胞、もちろん放棄することもできます。それは、廃棄するという意味ではなく、病院に「寄付」するというもの。卵子胚盤胞に恵まれない女性に使われるのでしょう。この選択肢は、やるにしても、まだ先。今じゃない。

 

もしくは、その冷凍保存した胚盤胞で、2人目、3人目にトライもありです。妻が子宮内膜症の手術をしたときに担当した麻酔医の奥さんは、すべての子どもをIVF(体外受精)で作ったそうです。専門家でもある彼らがその選択をしたのは、おそらく、健康で正常な精子卵子を検査・抽出し、その受精卵を使用することで、妊娠率を上げ、健康な子供を授かる可能性が高いという判断だったのではと、勝手な想像。

 

実際に不妊治療に関わると、妊娠して子どもを産むってことが、いかに奇跡的か、あらためて思い知らされます。でも、妻の妊娠は、まだまだ期待はしませんよー。

Story 11 採卵後の情緒不安定には抹茶ラテ。それと、スターウォーズから学んだ心得とは?

仕事から帰ってきて夕飯の準備をしていると、妻から突然の電話。

(僕が毎晩、夕飯を作ります。それがそのまま、翌日の弁当になります)

 

しかも、電話の向こうで泣いているではありませんか。

 

(僕)「どうした?何かあったの?」

(妻)「今日、血液検査をしたら、ホルモンの数値が高くて、このままだと、週末の受精卵の移植ができないかもしれないって言われた。」

(僕)「うーん、まぁ、それなら仕方ないよね。でも、このまえ無事に採卵できたんだから、それで良しとしないと。受精卵の移植は、また今度で仕方ないよ。」

(妻)「うん。ちょっとホルモンバランスが悪いから感情的になってるだけ。」

(僕)「そうか。」

(妻)「気持ちを鎮めるために、お茶して帰る。」

(僕)「了解。大好きな抹茶ラテでも飲んできなよ。」

 

だいたい5分から10分くらいの短い会話をして、電話を切りました。

 

ここまで比較的、順調に事が進んで、ちょっとした足踏みな事態でも感情的になってしまう。少し順調過ぎて、期待値が高まってしまったのかもしれない。

不妊治療を行っている時点で、決して順調とは言えないといえばそれまでだけど、まだ1回目のトライで成功すると思うのは、やはり楽観的だという自制が働く。

 

妻の知り合いには、IVFに10回もトライした人もいるという話を聞いたり、芸能人の不妊治療や妊活ブログを読んだりすると、やっぱりみんながんばっているけど、そうそう簡単には成功しないようなストーリーもいくつも見てきた。

とにかく、“期待しない”ことが、気持ちを落ち着けるという結論に行き着く。

 

妻が帰ってきた。もう落ち着いている様子。とくに落ち込んでいる風でもないので、本当に、IVF前のホルモン投薬などで、精神的に不安定になっていただけと思われる。ていうか、案外ケロッとしている。(抹茶ラテ、効果抜群!)

 

妻には、あんまり期待をしないほうがいいとたしなめ、妻もそれに同意。

IVFの低い成功率や、たくさんの人が簡単には行かないことを身をもって体験していることなどを引き合いにして、ちょっと話し合い。

うまく行けば、ラッキー。うまく行かないのが、当たり前。

このくらいの気持ちで臨まないと、ホント、ダメだった時のショックが大き過ぎる。

 

いつものごとく話は逸れますけど、スターウォーズで、アナキン・スカイウォーカー(後のダースベイダー)がダークサイドに落ちる前、彼は、出産時に妻のパドメが死んでしまう予知夢を見る。それを回避すべく、ダークサイドのボスであるダース・シディアスに「妻を助けたければ、私の手下になれ」と言われ、まんまと陥落。パドメは、双子を出産すると同時に、予知夢通り、死んでしまう。そして、ダース・シディアスは、アナキンにこう告げる。

 

「おぬしの怒りが、彼女を殺した」

(実際は、出産による死。らしい)

 

スターウォーズの例え話の内容と意味合いが異なりますけど、要は、あんまり想いが強過ぎると、期待し過ぎて相手にプレッシャーを与えたり、期待外れでガッカリしたときの表情や言動が相手に絶望感を与えてしまう可能性があるので、くれぐれも気を付けなければと、この妊活中に常々このスターウォーズのシーンを思い出してしまうのです。

こうした悪い意味での妊娠することへの強すぎる想いは、もしかすると女性にも当てはまるのかもしれませんね。なんとしても妊娠してみせる、子どもを産みたい。

でも強過ぎる想いは、うまくいかなかったとき、自分自身にも悪影響を及ぼす可能性大きくて、危険です。

「できなくて当然」と、期待値を下げてみてください。

 

このように僕は、妻が苦しんでいるとき、スターウォーズの1シーンを思い出してます。ちょっと不謹慎なことかもしれませんが、これが現実なんです(笑)

Story 10 IVF(体外受精)の準備期間終了!その本番に向けて、妻と夫のそれぞれのドラマ

IVFの手術前準備期間が終了しました。

 

妻は、よくがんばりました。2週間もの間、毎晩、痛い注射を自分のお腹に打ち、膣内へのホルモン剤(?)への塗布。

 

そして、本番のIVF。そう、体外受精です。

 

ちなみに、体外受精というと、よくテレビで見かけるのは、ガラス管を卵子に突き刺して、精子を強制的に受精させるものを想像しますが、それは顕微授精(ICSI)。

 

この体外受精か顕微授精の判断は、精子卵子の状態を見て、医者が判断すると思われます。

 

今回は行ったのは、普段通っているクリニックではなく、手術の設備が整ったFertility Center(不妊治療センター)へ。

 

受付を済ませ、男性(夫)は、紙器が入った紙袋と、DVDの入ったケースを渡されます。そのケースにはどこかの部屋の鍵が付いており、どうやらその部屋で精子を自分で採取するようです。

 

僕は、エレベーターでその"秘密の部屋"に向かいました。指示されたフロアに到着するも、どの部屋がその"秘密の部屋"なのか、かなり迷いましたね(笑) だって、ドアにそれらしき名称のタグが取り付けられていないのですから。

 

どうにかその"秘密の部屋"を見つけ、早速、持っていた鍵でオープン。職員らしき人も出入りするその部屋の中に、また小部屋があり、テレビモニタとDVDプレーヤーと、大きめの1人用ソファ。そこで、さきほど渡されたDVDケースを開けると、洋モノのアダルトビデオ。他の多くの男性陣もこのDVDを観て射精したことを想像すると、ちょっとゲンナリ。ということで、僕は、自分のスマートフォンで、日本のAVサイトにアクセスし、事を済ませました。男性のすべきことは、これだけ。

 

この後、妻は採卵の手術があり、術後、僕が迎えに来なければならないため、仕事を休みました。いったん、帰宅し、待機。

 

さて、妻のほうは、卵子を卵胞から取り出す手術、「採卵」です。普段お世話になっている先生が、その手術を実施します。

 

インターネットのイメージでは、膣から器具を挿入し、その先にある卵胞内の卵子を取り出すようです。これもまた、妻(女性)への負担が大きな作業です。

 

ここで重要なのは、自宅で自己注射を実施してきましたが、それによって、受精に使用できる卵子をいくつ採取できるか。僕たちに先生を紹介してくれた友人の女性は、3個ほどしか採取できなかったそうです。その上、その卵子のクオリティも重要。

 

さて、そうこうしているうちに自宅待機していた僕の携帯に、妻から写真付きのメッセージ。写真は、妻の手首に白いテープが貼られており、「10 ☺(スマイルマーク)」 どうやら、妻の身体から、10個の卵子を採取できたようです。とりあえず、ひと安心。妻も、妻の身体も、ホントよく頑張ってくれました。

 

この後、採取した精子卵子を一緒の培養液に入れて受精させる「媒精」が1週間実施され、受精して胚盤胞になったものを、女性の膣に送り込みます。ちなみに、僕たち夫婦の場合は、通常のIVF(体外受精)となりました。

 

オーストラリアの不妊治療では、精子卵子の受精前スクリーニングがあります。このスクリーニングでは、それぞれの健康状態はもちろん、染色体や遺伝子の検査が実施されます。これにより、流産やダウン症の発症率を下げるのではないかと推察します。

 

早期流産は母体が原因ではなく、染色体異常が原因で、受精卵が胎児になるまで成長できなかったという結果。これも、生物のデザイン(仕組み)ですね。本当に自然界はよくできてます。なので、お母さんはなーんにも悪くありません。

 

この後、受精卵が着床できるかどうかは、いろいろ調べても運の要素が大きいような感じですが、やっと着床して妊娠したと喜んでも、流産してしまっては、心身ともにショックが大き過ぎます。

 

先ほど申し上げたスクリーニング(受精前検査)で、流産の確率を下げ、なおかつ健康な子どもを授かる確率を上げる効果があるのではと思います。非常にありがたいシステムです。

 

さて、採卵も無事終わり、自宅待機の僕は、妻を迎えに行きます。

番外編 不妊夫婦の離婚と生物としての人間

大黒摩季さんの離婚と不妊治療について、男性視点の個人的な感想。

 

数日前、Yahooのニュースでこの記事を見つけました。僕も不妊治療の当事者であるため、これが目に付いたのだろうと思います。

 

離婚理由が、大黒さんの不妊が原因と書かれている。そして離婚した元夫は、現在の奥様との間に子どもをもうけたとのこと。

 

このケース、僕にとって、とても他人事とは思えませんでした。なぜなら、僕も、薄っすらではありますが、このまま妻が妊娠できないようであれば、他の女性との間に子どもを作ったほうがいいのかな、と思ったことも正直あります。

 

この大黒さんと元夫の判断、どうしようもなかったのだと想像に難くありません。元夫の方は、どうしても子どもがほしかったのでしょう。子どもがほしい彼は、愛しているけど子どもができない妻と一緒に居続けたことを想像したとき、うまく対処していく自信がなかったのだと思います。そうなれば、他の女性と一緒になって、子どもを作るしかないという判断になった。一方、大黒さんも、それを理解したのだと思います。

 

うーん、悲しくて、やるせないケースですね。とくに女性からしたら、とうてい理解できない、ムカつく野郎と感じた人も少なくないのではないでしょうか。

 

前回の記事を反芻するような感じになってしまうのですが、男性も、子どもがほしいと思います。それって、なんとなく、生物の本能的な感覚と前回書きました。

 

よく動物の体は、“DNAの乗り物”って表現されるのを聞いたことがないでしょうか?あくまで、DNAは自分の遺伝子を残すことが第一目的で、その体は、その目的を果たすためだけの器にすぎないと。

 

ちょっと話は逸れますが(いつものこと)、パートナーが妊娠するか子どもを産むかしたとき、男の男性ホルモン、たしかテストステロンだった思いますが、それが減少するらしいと、テレビかラジオで聞いたことがあります。

 

テストステロンは、興奮したり、怒ったりしたときに分泌されるホルモンで、女性も分泌されますが、男性に多く分泌されるホルモン。95%が睾丸(精巣)で作られるそうです。

おそらく、古代の時代から、男が狩りや戦(いくさ)なんかのときにこのテストステロンを体内で分泌させて興奮状態にし、集中力が増したり、多少のケガとかでは痛みを感じないようにするような自己防衛機能の一種ではないかと推察します。

 

このテストステロンが減少するということは、怒りのような興奮状態が抑えられ、気持ちが穏やかになるんだと思います。つまり、子どもに接するにあたり、お父さんは優しい男になる準備を、何に反応してかはわからないのですが、身体は自動的に攻撃性を緩めるようなのです。

 

なんですか、このよくできたデザイン(仕組み)は!?

 

これを聞いて、思い当たる節がありませんか?最近の、お母さんの連れ子への、男性パートナーによる虐待。これって、このテストステロン減少も少なからず関係しているのではないでしょうか。加えて、自分の子どもではないから当然愛情もなく、彼らは女性と付き合ったら、そこにもれなく子どもが付いてきてしまった、くらいの感覚。心も身体も、子どもを受け入れる状態になっていない男が、悲惨な事件を起こしているのではと思わざるを得ません。しかも、彼らってたいてい、想像力も欠如してます。虐待される子どもの気持ちや痛みが想像できないんでしょう。その人間性も未熟さも、一因でしょうね。だから、離婚して連れ後を持つ女性は、よくよくこのことを考えてください。

 

で、大黒さんの元夫の話に戻りますが、子どもを持ちたいと思う気持ちも、本能とかDNAとかに由来していると考えると、彼を責めることはできません。

なぜかはわからないけど、自分の子どもを持ちたいと思う気持ち。

あえて言うならば、かなり古臭い言葉ですが、「子孫を残したい」って、感じでしょうか。彼は、その気持ちや感覚に対し、偽ることができないと観念したのでしょう。とても自分に正直で素直な人だと思います。それを受け入れた大黒さんも、、、偉いなぁ。

 

今回の僕の意見、女性からしたら到底、腑に落ちないものかもしれませんが、そもそもこのブログを始めたきっかけは、不妊治療中の男性側(夫)の感想や気持ちを書こうと思ったことから。

 

不妊治療は、基本的に女性が苦労や苦痛を伴うのがほとんどです。それに付き添う男性の視点や感覚や気持ちを知って、そのギャップを埋めるものとして、このブログが少しでも役に立ててもらえればうれしいです。

Story 9 It's ハラキリタイム!見てるの怖い…

さて、夕食後は、妻はIVFの注射を打たなくてはなりません。

 

「ハラキリタイムだよ~」

 

そりゃ、毎晩、しかも2週間も自分で自分のお腹に注射を打つなんて、憂鬱だよねー。僕は、それを聞いて、「ハハハ」と愛想笑いするくらいしかできません。なんか、かわいそうだし、痛いだろうし、大変だろうし、でも何もできないし。夫婦によっては、旦那さんが注射を打ってあげる人もいるようですが、うちの妻は拒否。とにかく、IVFのプロセスに沿って、毎晩注射とホルモン薬剤の膣への塗布(?)。

 

いやー、何度も書いてますけど、本当に女性は大変!その上、このIVFがうまく行ったら、次は妊娠の10か月間がある。その間にもつわりや流産の可能性、ホルモンバランスが不安定になるetc。そして、極めつけは、出産ですよ。

 

もちろん、前にも書いた通り、IVFの成功率は20%程度。つまりは、失敗の可能性のほうが80%で、ある意味、失敗して当然な確率。

 

これだけ苦労して、失敗なんて、つらいし、やるせなくなるでしょう。しかも、成功率は、女性が高齢になればなるほど低くなる。

 

でも、なぜか、女性はもちろん、男性だって子どもがほしくなる。たぶん、生物としての本能のような気がします。

 

子どもを持ちたくない人も、もちろんそれはそれで、理解できますし、その意思を尊重します。

 

人間は、理性と本能の間を、行ったり来たりしてるのでしょうか。

 

経済的なこと、環境的なこと、将来的なことやその他の諸々を考えたとき、それは理性的に、そこから子どもを持たないと判断される方も多々いらっしゃると思います。そもそも子どもが嫌いな人も、少なくないはずです。

 

ただ、理性的な判断を取っ払って考えると、やっぱり自分の妻には女性として、子どもを授かるという、女性だけが持つ「人が人を作る」生物機能を活かしてほしいと、思います。

ボキャブラリー不足で、うまく表現できていません。ごめんなさい。

 

この世の中や社会の仕組みは、男性が作り、そのため今でも男性有利な世の中です。でも、人を産み出せるのは、女性しかできません。女性が子どもを産まなければ、そんな男社会なんて、いとも簡単に崩壊。

 

最近、フェミニズムMeTooなどが普遍化されて女性の地位向上を目指してますけど、それくらいじゃ、男によって数千年も前から築かれた男性有利の社会は揺らがないと思います。

 

僕は、女性は「子どもを産まない」宣言をすればいいと思ってます。そうすれば、そう遠くない未来に人類は滅亡してしまいますから、そうしてほしくなければ、おとなしく女性の言うことを聞きなさい、って脅せばいいと思います(笑)

 

とにかく、子孫を作れる女性のほうが、生物的にすぐれているモノと僕は思います。男性は、それを微力でサポートする脇役的な存在。蟻や蜂も、女王が卵を生み、それをオスがせっせと働き、守るだけ。

 

かなり話が逸れてしまい、しかもかなり僕個人の信条というか思想をさらけ出し、不快な思いをされた方もいるかと思われますが、やっぱり書かずにはいられませんでした。

 

今回、妻との不妊治療を続けていくうちに、妊娠や人が人を作ることが、いかに奇跡的なことであるということを知り、かなり哲学めいたことになっちゃいました。反省。

Story 8 IVF(体外受精)がスタート!すごいよ、奥さん(汗)…

始まりました、IVF体外受精)。

 

IVFってどんなもんなのか、妻から送られてきたURLのウェブサイトにアクセスし、その中の動画を見てみました。

 

なんと、女性は、自分のお腹に、注射をします!詳しくはインターネット上にある、産婦人科不妊治療専門のクリニックのウェブサイトを見ていただければわかると思うので、ここでは割愛。妊娠するためのホルモン上昇や、卵子を増やして、できるだけたくさんの卵子を採取できるようにするための注射。

 

動画見ると、結構な針の長さの注射ですよー。なんか、ここでも、妻に申し訳なく感じました。でも、男である僕に代わりは務まりませんので、仕方がありません。

 

そして、IVFに向けた自宅での自己注射が始まりました。妻が薬局から買ってきた箱を開け、注射を僕に見せてくれました。針の長さは、動画で見たものよりも短く、1㎝くらい。僕の叔母が糖尿を患っているのですが、毎食後のインスリン注射みたい。

 

「あれ、短いじゃん。良かったね。」

 

翌日の晩も、もちろん注射を打たなくてはなりません。この日の注射は、別の種類のものらしく、また僕に見せてくれました。今度の注射の針の長さは、3㎝くらい!

 

「な、長い!それを自分で、自分のお腹に射すの?しかも下腹部3か所に?」

 

この自己注射を、卵子を採取する前日の夜まで実施しなければなりません。妻も、その針の長さを見たときは、ビビり、憂鬱そうでした。

 

でも、もうやってもらうしかありません。子どもがなんとしてもほしいってことでもないのですが、夫婦になった以上は子どもを持つことをトライしてみよう、っていうなんとなくの共通の意識。しかも、2人とも40歳代で、後がありませんから。

 

注射とは別に、どうやらホルモン薬剤を塗布した棒を膣に入れるという作業もあったようですが、それは妻がトイレでやる作業なので、どういうものかは正直わかりません。

 

いずれにせよ、不妊治療を行う女性の苦労には、本当に頭が下がります。

 

それでいて、その成功率は、その苦労の割に20%程度と、かなり低い。だから、僕と妻は「なるべく期待しないようしようね」って言い合ってます。そうしておかないと、妊娠できなかった時のショックが大き過ぎてしまいますから。

 

不妊治療中に夫にできることは、できるだけ妻を甘やかしてあげることくらい。食べたいものを食べさせてあげたり、家の中でのリクエストに応えたり。

 

この不妊治療の当事者になって感じたことは、少しでも自分の赤ちゃんがほしいと思っている人は、やはりなるべく早めに妊活を始めたほうがいい、ってこと。

 

「子どもがほしい」って思うのは、すでにある程度の人生経験や社会経験をした後に来る気持ちだと思うけど、その時点では、生物学的な観点からすると、少し遅すぎることになってしまうかもしれない。

 

男性も女性も、結婚前や結婚後でも、どうか子どもを持つことや妊活から目を逸らさずに向き合って考え、機会を設けて話し合ってください。

 

費用的なコストや、痛みや苦しみのコストを考えたら、自然に妊娠できるのであれば、それに越したことはありませんからね。

番外編 妊活中の男の視点と気持ち。“馬鹿と鋏は使いよう”

妊活(不妊治療)の中での、夫(男性)側の視点や気持ち、協力について。

 

女性側からするとかなりショックかもしれませんが、男にとってはやはり、どこか他人事です。なぜなら、自分の身体がほぼ100%、関わらないから。

 

この不妊治療で実際に関わったとすれば、精子の提出くらい。夫婦生活は、別に不妊治療でなくても行われる行為ですから、妊活に関わっている実感はない。

 

だから、奥さん(女性)は、夫(男性)に対し、一切の期待はしないほうが良いです。同情とか優しさとか、思いやりとか。期待すると、期待外れだった時のストレスがより増大するから。

 

「私は、こんなに苦労しているのに!」

「なんで私だけ痛い思いしなきゃならないの?」

「旦那、使えね~」

 

前述の通り、妊活に関わっている・参加しているという意識は、女性とは雲泥の差ですから、女性の苦労や痛みをほとんど理解していません。

 

こればっかりは、本当、どうしようもないと思います。なので、夫(男性)を代表して、謝っておきます。どうもすみません。でも、この妊活期間を逆手にとって、さりげなく上手に、夫をコントロールというのはどうでしょう?

 

まず、多くの男性は、女性の長ったらしい、結論なり正解なりが見えない話は、まどろっこしくて、イライラしてしまいます。

 

理論的で理路整然とした話はスイスイと入ってきます。また、車や飛行機などの機械や、宇宙や科学などのテクノロジー関連、化学などの話もまた、好きです。大人の男は、格好つけて、理論好きな、プライドの高い大人の着ぐるみを着た、ガキであるということを忘れないでいただきたい。

 

例えば、夫に料理の知識を入れたいとき。

「日本には、調味料の種類と入れる順番を兼ね備えたキーワードがあって、聞いたことあると思うんだけど、“さしすせそ”あるじゃん?あれ、実は化学的な根拠があって、それぞれの調味料の分子の大きさが違うから、食べ物に浸み込むのに最適な順番でもあるんだよ。すごいよね、昔の人って。」

 

(男の口から出る返事)「ふーん」

(男の内心)「え、マジ?分子の大きさが考慮されているだって?」

 

つわりがひどくて、何かを手伝ってほしいとき。

「つわりの症状が出る理由の一説なんだけど、人間の赤ちゃんがお母さんのお腹の中で、実は今までの動物の進化の過程を再現していて、水中にいた生物が陸に上がって肺呼吸になったときの苦しみが、母体に現れてきているんじゃないかって。そんな感じで今の私のつわりがひどいので、ちょっとでいいから掃除機かけてくれると助かります。」

 

(男の口から出る返事)「そんなに壮大な話かよ」

(男の内心)「赤ちゃんが動物の進化の過程を再現?肺呼吸になる苦しみ?」

 

基本、男はバカなので、やっぱりハサミと同様、うまく利用してほしいです。

使いようです。もしそれを使いこなせていないのなら、使い手側に問題があるのかもしれませんよ(汗)

 

では、今回はこのへんで。

Story 7 めざせ、自然妊娠!子宮内膜症除去手術とその後の旦那の役割とは?

さて、術後の3か月間は、自然妊娠を目指すべく、ひたすら夫婦生活です!僕(夫)としては、とても簡単なミッション。あざーす。

 

ただ夫婦生活は、もちろん妊娠しやすい日に行うことが一番重要。その日は逃さず、かと言って、他の日でもできるのであれば実施(笑)。夫婦生活を営めば、その分、妊娠する確率は増えるはずですからね。

 

1か月後、妻に生理が来て、妊娠失敗。

2か月後、妻に生理が来て、妊娠失敗。

3か月後、以下同分。

 

やっぱり、年齢ですかねー。子宮内膜症の除去をしても、自然妊娠はかないませんでした。3か月以内の自然妊娠に至らなかったため、病院を予約し、先生のカウンセリング。先生からのカウンセリングでは、初診で受けていたステップのどちらを僕たちが選択するかというもの。

 

1つ目は、IUI(アイユーアイ:人工授精)

2つ目は、IVF(アイブイエフ:体外受精)

 

IUIの妊娠確率は、5%程度。

IVFの妊娠確率は、20%程度。

だったかな?

 

先生は、どちらを選択するかは、僕たちに委ねるとのこと。逆に、先生に尋ねてみた。「先生なら、どっちを選ぶ?」

 

(先生)「妻の年齢を考慮すると、断然、IVF。」

 

それを聞き、僕たちは、迷うことなく、IVFを選択。この先生に診てもらうことになった時点で、すべてこの先生に委ねようってことだったから、お互い異論はなし。

 

ということで、そこからは、IVFについての説明。妻は、メインの当事者になるので、熱心に先生の話を聞き、質問もたくさんします。僕は、横で「ふんふん」と聞くだけ。女性からすると、こうした夫の態度にムカつく人もいるかもですが、所詮、夫なんて、サブの当事者です、妊娠そのものに関しては。男性は、妊娠できませんから。これが、偽らざる意見です。

 

 さて診察のあと、受付で支払いと処方箋をもらい、お互いの職場へ。正直、この自然妊娠ができれば妻への負担は少なかったのに、そうそう事はうまくは進みませんでした。

 

なぜ、受精できないのか?なぜ、着床しないのか?それが分かれば、世の女性は今ごろ、不妊で悩んでいないですよね。これだけ科学が進んでいるにと、とてもやるせなくなりました。やっぱり、年齢が大きいんでしょうねー。若い時には妊娠しやすく、年齢を重ねるにつれて年齢しずらくなるということは、妊娠をしやすくする物質や、逆に妊娠しにくくする物質とかでもあるのでしょうか?

 

というわけで、これから妻はIVF手術を受けるまで、さまざまな処置を自宅で行うことになるのですが、そちらは次回に。

Story 6 子宮内膜症の除去手術を終えるも、余計なことでムカつく始末

妻が、子宮内膜症の除去手術をし、1日の入院後、家に戻ってきました。

 

手術をした下腹部は、ぽっこり膨れています。たぶん、腫れているのでしょう。3か所ある傷跡も、1cm程度とはいえ、少し痛々しい。その1㎝の穴から腹腔鏡と内視鏡を入れて、お腹の中をぐりぐりかき回したことを想像すると(実際はそんなことはないと思いますが)、身体は痛かっただろうなぁと少し憂鬱になってしまいました。なんかもらいゲロのような感覚でしょうか?

 

そんなことより、妻はよくがんばりました。1週間は会社を休んで、自宅療養です。

 

それにしても、ホント、女性って大変だなぁの一言につきます。毎月の生理は来るは、それに伴ってお腹は頻繁に痛くなるは、子宮内膜症なんてものまで勝手に体内で作っちゃうは。こういうの、生物として取り除くことができないんだったら、そこはせめて、社会のシステムで緩和するしかないですよね。生理休暇とかあるんでしょうが、それで休むって言うのはかなり勇気のいることだと思うし、しかも自分の状態を他人に想像させてしまうもの。それって、かなり嫌なことですよね。少し前の日本や、現在の発展途上国や宗教と結びつきの強い国では、生理中の女性を汚らわしいものとして隔離したり、隠したりするようですが、どうなんでしょ?書いていてムカついてきてしまいました。そういうシステムを作り上げた想像力のない男にも、そうしたクソみたいないわれやシステムを挽回できない女性にも。

 

話しは戻って、先生が言うには、子宮周辺の内膜症はできる限り除去したけど、子宮内部に残っているものには手を付けなかったとのこと。この手の手術を何度となくこなしている専門家でしょうから、その判断が普通なのでしょう。

 

2週間後、先生のところに行き、術後の経過を診てもらいました。経過は順調とのこと。そして、ここから3か月の間に、排卵日を見ながら性交渉をし、自然妊娠を目指す!3か月間で妊娠しなければ、次のステップである、人工授精もしくは体外受精に移ります。

 

僕(夫)にできることは、妻の計算と指示に従って性交渉をすること。お安い御用です!

 

ところで、僕たち夫婦の心境ですが、子どもができない状況でも、とくに深刻ではありませんでした。なんででしょう。理由は、わかりません。僕は子どもが好きですが、僕たちに子どもができないことに、とくに悲観的ではありませんでした。妻は、たぶんそれほど子どもは好きではなさそうです。なので、いろいろとがんばってはいますが、これまた子どもができないことに悲観していないように見えました。

 

お互い子どもを持つには、生物学的にはとし(年齢)を取りすぎているのでしょう。いくら精子卵子が元気で問題がなくても、なんらかの原因で妊娠できない。たぶん、それは、ほぼ間違いなく年齢が原因だと思います。でも、現代の医学やテクノロジーで、その状況を覆しているのも事実。

 

いろいろ考えても仕方がないので、とにかく妻との性交渉をがんばるしかありません。僕からしたら、排卵日とか関係なく、いつでも準備万全ッス。バッチコイ!ありがたい苦労です、夫にとっては。