AusJapanMate’s Blog

おもに海外(オーストラリア)での妊活(妊娠・体外受精・IVF)と日々のあれこれ

Story 16 初エコー & 妊娠までお世話になった最初の先生はお役御免

受精卵の着床、すなわち妊娠判明から1か月後、診察と初エコーのためクリニックへ。

 

この時点では、エコーはよく見かけるT字の器具の先端にゼリーを塗ってお腹の上をさするタイプのものではなく、膣内に器具を挿入するタイプ。お腹の赤ちゃんは当然ですが、まだまだ小さく、この時点で長さ数センチ・重さも数グラム。僕は、妻が器具を挿入されている姿を見て興奮するような嗜好はないので、天井からぶら下がっているエコーの様子が映るモニタを見つめ、iPhoneのムービー録画をスタートする。

 

早速、エコーによる子宮内の診断がスタート。黒い丸の影の中(たぶん子宮)に、白い物体がなにやらいる模様。待望の赤ちゃんのようです。もちろんこの段階で人間や生物の形をしているはずもなく、まさに“何らかの物体”がそこにいる。でもそれが生きているという証明は、エコーである箇所にフォーカスすると、しっかりと一定のリズムの心音が聞こえてくる。生物の体をなしていないその物体は、ちゃんと心臓を持ち、しっかりと確実に動かしている。

 

(僕)「おおー、ちゃんと生きてる!」

 

先生も、胎児の心拍は健康で、いたって順調とのお墨付き。とにかく、ひと安心。そして、この妊娠検査をもって、Gynecologist(婦人科医)である先生の任務は終了。ぼくらにとっては1回目のIVFで成功し、とてもありがたい結果を導いてくれた先生にただただ感謝です。

 

ところで、この先生が採卵やら胚盤胞を子宮に戻す手術を実施したのだけれど、そこには技術や医師の腕というのは存在するのかな?先生を紹介してくれた知り合いの女性は、この先生によるIVFに失敗するも、その後、無事自然妊娠に成功。一方、僕たちは1回目で成功。どうにも、人工・体外受精は、体質やら運によるところが大きいように感じました。あとは、やっぱり年齢だよなー。若い=妊娠しやすい、ってことを、何度もしつこいですけど痛感。

 

診察の後、近くのカフェに行き、朝食。そこで妻が言っていたのは、胎児の心拍を聞いたとき涙が出ていたとのこと。あんまり子どもが好きそうではない妻が、自分が妊娠するとこうも変わるのかと驚き半分、納得半分。さきほど録画したムービーを見返して、とにかくIVFが成功して良かった、よくがんばったと感慨ひとしお。

 

と感動のストーリーで今回は終わるかと思いきや、そうはならず。エコーによる診断で僕たちの子どもが妻のお腹の中にいることが確認し、僕はその時はいたく感動しました。でも、それが終わると、僕の勝手な想像ですけど、夫と妻の間には意識の大きなギャップができているはずです。というのも、妻のお腹の中にはたしかに生物がいて、それを確実に感じている。でも、夫のほうは、とくに普段と変わらず。物理的に母親になっていく女性と、いつも通りの日常を過ごすのみで、いまだ父親にはなっていない男性。女性側からすると妊娠して身体も心も大変な時期に、のんきにのほほんと暮らしている夫を見ていると、ムカつくを通り越して殴り殺したくなると思いますけど、そうはいっても妊娠していないんだから、何にも実感もないので、そりゃのほほんとしちゃいます。こうした夫の態度を見てストレスを感じてしまう女性には、男性は妊娠を自分事として捉えることが無理なんだ。なぜなら、妊娠していないから。ということを理解しておいたほうが気が楽になると思います。

 

妊娠によって身体や心がしんどくなってしまったとき、旦那があんまりにも気が利かなかったり、頼りにならないと感じたときには、身体の状況説明やお願いごとや理論的に書いたメモや手紙が有効ではないかと思います。しかも、とにかく簡潔に。イラストなんかがあると、なお良しですね。

 

(例)

頭痛のとき⇒パナドール錠を近くの薬局で買ってきてくれると非常にありがたい。

お風呂場⇒すべって転ぶと流産の危険性があるので、滑り止めを都合の良い時に貼ってくれると母子ともども嬉しい。

食後の食器洗い⇒毎食後、かなり胸焼けがひどいので、食器を洗ってくれると助かる

食べたいもの⇒妊娠すると食べたいものがコロコロ変わるので、都度お願いさせてほしい。

迷惑かけて申し訳ないけど、いつも助かってます。ありがとう。

(本心でなくても、OK。相手を気にかけた仕事的な用語とちょっと思いやりのある言葉で、男をうまくコントロールしてください。とにかくビジネスライクが成功の鍵!)

 

つづく。