AusJapanMate’s Blog

おもに海外(オーストラリア)での妊活(妊娠・体外受精・IVF)と日々のあれこれ

Story 14 妊娠判明後からの心境…次なる不安

さて、前回は、無事着床したみたいで、妊娠という結果に至りました。妻の痛そうなIVF準備の一つである「自己注射」をしなくて済むので、それが良かったなぁとピントがずれた感想。お互い、とくにこれと言って大喜びとかはなく。

 

約1年前から不妊治療を続けて、子宮内膜症の除去手術やIVF(体外受精)に向けての準備と2度の手術。不妊治療のほとんどが妻の身体に対し実施され、幸運にも1回目で妊娠という結果に至りました。女性のように毎月来る生理が来なくなったといった自分の身体の変化があるわけでもないので、自分の子どもができたという実感はなく、予想外に次なる不安が押し寄せてきてます。

 

それは、このまま妊娠状態をちゃんと維持できるか、ということ。

 

妻は、40歳で初めての子どもを妊娠するという状態。インターネットで調べると、妊娠する確率も低いだけでなく、流産の危険性も非常に高く、5割の確率で流産してしまうらしい。こんなんだから、妻の妊娠成功を手放しで喜べない。たぶん、お互い言いませんでしたが、妻もおんなじ心境だったのではと思います。

 

僕たちが20歳代で、普通に子作りをした結果の自然妊娠であれば、テレビドラマのような大喜びができたのかもしれない。でも、妊娠を確認した直後に、また次の心配が押し寄せて来て、不妊治療中に夫婦ともども健全な精神を保つことが簡単ではないことを、あらためて思い知らされました。

 

ようやく妊娠できたからと言って、何か特別なことができるわけでもありませんから、「階段の上り下りには手すりにつかまって!」とか、「お風呂場で足を滑らせないように気をつけて!」とか、エラそうに言うくらいなもんでしょうか。実際、妻に皿洗いをさせるとよく皿が欠けたり、家の中を歩いていてテーブルの角に足をぶつけて青あざを作るなんてことがしょっちゅう。ちょっと注意力が散漫なところがあるので、そのせいで流産したなんてことになったら、僕よりも妻本人自身のダメージが大きいのは目に見えてますからね。とにかく、安定期に入るまでの3か月間、無事に済んでほしいと願うばかり。

 

こんなときに思ったのは、「自然妊娠って、やっぱ、すごいし、神秘的!」ってこと。だって、僕たちはこれだけのプロセスを経てようやく妊娠に至ったわけだけど、これを普通に性行為をして、1回の射精で2~3憶個が放出されるも99%が子宮に到達する前にあえなく全滅。卵子まで到達できるのは、数十個から数百個。女性の身体の立場に立ったらこの機能は当然で、免疫機能の最たるものであり、外から侵入してくる精子はウイルスとか病原菌のようなものだから、必死になって精子の侵入を防ごうとする。それでもそんな難関を乗り越えて受精できる精子は、だたの1個。なんなんだ、この熾烈なドラマは!しかも、驚くことに、卵子はたった1個の精子を受け入れ受精すると、たちまち殻を纏う(まとう)ようになって、他の精子の侵入を一切受け付けなくなる。こうした精子にとっては熾烈な環境と猛烈な競争の中を生き延び一番に卵子にたどり着けるということは、すなわち元気に育つための前提条件を備えた精子で、その選抜作業が自然に行われるという、ここでも生物のデザイン(仕組み)のすごさに感動。

 

それよりなにより、今回も妻はがんばりました。