AusJapanMate’s Blog

おもに海外(オーストラリア)での妊活(妊娠・体外受精・IVF)と日々のあれこれ

Story 5 子宮内膜症の手術実施 オーストラリアの有給休暇システム

今回は、妻の子宮内膜症の除去手術について。

 

子宮内膜症とは、子宮内膜という組織が、子宮の外で増えてしまう病気です。本来、子宮内膜は子宮の内壁の一番表面にあって、卵巣から分泌されるエストロゲンという女性ホルモンによって増殖し、妊娠する準備をしています。妊娠がおこらないと、月に1回子宮から剥がれて出血し、生理となります。子宮内膜症があると、子宮内膜からの出血が子宮以外の場所、たとえば卵巣や腸の腹膜でおこり、卵巣、卵管や腸が癒着したり、卵巣内にチョコレートのう胞と呼ばれる卵巣のう腫ができます。子宮内膜症は痛みと不妊が主な症状の病気で、近年の女性のライフスタイルや価値観の多様化により増加しています。」

引用:日本医科大学付属病院

https://www.nms.ac.jp/hosp/section/female/guide/cure004.html

 

ということで、やはり不妊の原因になるらしいです。

 

オーストラリアの人や会社は、かなり早朝からスタートします。病院も同様。僕と妻は、朝の7時に病院に行き、受け付けを済ませました。手術を受けるフロアまで行き、旦那はここでしばしのお別れとのこと。とくに付き添い不要らしいので、妻を置いて、僕はそのまま仕事へ。

 

職場で普段通りに働いていると、昼過ぎに病院から連絡が入りました。手術は無事終わったので、夕方に来ていいよ、とのこと。仕事を終え、病院へ。妻は二人部屋のひとつのベッドで横になっていました。

 

妻は病気ではないとは言え、やっぱり手術して病院にいるっていうのを見ると、なんとも言えない気持ちになったのを憶えてます。しかも、妊娠するために手術するって、どうにも夫婦で子どもを持ちたいって思った場合、否が応でも妻(女性)だけに負担がかかるっていうのは、あまりにも不公平だなぁと感じました。

 

ちなみに、妻の子宮内膜症除去手術は、腹腔鏡手術。おへその下あたりの下腹部の3か所に1㎝程度の穴を開け、おへその真下からは内視鏡、おへそから両サイド10㎝のところに手術用の腹腔鏡アームを入れ、子宮内膜を取り除くというもの。子宮外の子宮内膜はできる限り除去し、子宮内のものは妊娠することも考慮し、手を付けなかったようです。

 

妻は、病院の夕食は、食べられるものだけを食べ、あとの残りは僕が食べました。その晩は、妻は病院で入院。翌朝、仕事を休みにしてある僕が迎えに行き、その日は自宅療養。

 

こういう状況の場合、オーストラリアでは、“Carer's Leave” というものがあります。世話人休みとでも言うのでしょうか。仕事、休めるんです。しかも有給です。こういう制度があると、堂々と休めるし、パートナーや子どもの世話をすることも全然苦にならない。だってそのための休みなんですもん。日本の会社って、なんかこう、仕事に責任を乗せすぎるというか、仕事第一みたいに格好つけるというか。会社組織で、1人や2人休んだところで、仕事なんて回るんですよ。休みづらい雰囲気や、当の本人も、会社が休んでいいって言っているのに、奥さんや子どもが大変でも格好つけて休まない。大した役職でもない、給料も安いのに、こんなときだけ会社に忠誠心を見せるような欺瞞な振る舞い、僕には理解できません。こういう性格もあって、もう日本で働くのは無理。

 

また、話がずれてしまった…。ということで、手術の翌日、妻には家でのんびりしてもらいました。痛くて大変だったでしょう。ご苦労様でした。

Story 4 手術とそろばんと私

前回、触診の結果、手術による子宮内膜症の除去をしてもらうことになりました。

 

先生は、子宮内膜症不妊の原因や、除去することによって妊娠できるとは断言できないけど、それでも除去した後に自然妊娠の可能性は高まるとの説明。まぁ、やらなきゃならないんでしょうね、きっと。

 

すでに僕たちは、この先生の指示に従うことに決めていたので、その場で手術してもらうことを伝え、スケジュールも決めました。なにせ忙しい先生なので、ここでスケジュールを決めておかないと、全部が後回しになってしまうので、迷っている暇なんてありませんから。

 

オーストラリアでは専門医が不足していて、その専門の医者が少ない分野の診察や手術が半年後や1年後になる、ってこともあるようです。逆に日本では、大きな総合病院や大学病院に直接行って専門医に診てもらうことが可能だから、ちょっと問題になっていましたね。そこでホームドクター制度や紹介状なしの診断には、何千円かかかるとかっていうニュースを見たことがあります。日本って、医療に限って言えば、本当に恵まれてますよ。

 

それにしても、妊娠するために、それも妊娠できるとも限らないのに手術をしなくてはならないとは、妻(女性)には負担が大きすぎますね。一方、夫(男性)は、なんの負担も無いに等しい。でも代わってあげることは、もちろんできないので、とにかく平静を装って、

 

「もう少し早く診てもらうべきだったねぇ~」とか、

「(先生も言っていたけど) 重い生理が軽くなるかもよ」とか、

 

なんとも優しくない言葉だけども、それでもどうにか気を紛らわせてあげられたらとは思いました。とは言え、実に非力なもんです。

 

そうした気持ちと同時に、頭の中では冷静に、そろばんをはじき、収入と支出のスケジュール帳が行ったり来たり。ちなみに、家計は基本的に、僕がコントールしています。といっても、そんなたいそうなことではなく、あくまで一般庶民の家庭ですから、食料品や雑貨費用と貯金の管理くらいなもんですけど。

 

それにしても、しつこいようですが、やはりある程度の貯金があるおかげで、高額な手術であっても経済的な心配はない。やっぱりこの世の中、お金って本当に大事だと、ここ最近、あらためて痛感しています。お金がすべてじゃないけど、お金で解決できることがほとんどのように思うのですが、どうなんでしょう?

 

海外にいると、日本の良さをよく感じます。とくに医療関係は、文句なし。先進技術もあって、専門医に直接会いに行けて、しかも国民健康保険の適用範囲が広くて費用が安い!この保険制度を、最近では外国人に使わせてしまっているようですけど、どんだけ日本人はお人好しなんでしょ?税金を払っていない人の分の医療費を、日本国民が払った税金で賄っているんですから。外国人が病気になったら、受け入れる病院はクレジットカードくらい提示してもらって初めて受け入れるくらいの体制にしておかないと、外国人は強かですからうまく使われてしまいますよ。まったく!

 

話が逸れてしまったので、今日はこのへんにしておきます。つづく。

Story 3 自然妊娠に向けてスタートするも、妊娠するって大変なことだなぁ~と痛感!

やって来ました、診察初回。結婚して何年とか、避妊しないで性生活は何年とか。それと、以前に自分たちで検査機関に検査してもらった卵子精子の結果を先生に提示。一応、検査機関による結果は、とくに問題なし。なので、自分たち自身による自然妊娠を目指したんですけど、結果が伴わなかった訳で、こうして不妊治療専門クリニックに来ているという次第です。

 

もちろん、先生からの見立ては、1年以上避妊なしで性生活で子どもができなければ「不妊」とのこと。ましてや、僕たちは、6年もトライしてわけだから、完全な不妊。コンサルテーション(問診)の前に、膣内の触診とエコー。これ、僕も一緒に触診する部屋に入っていいよって言われましたが、もちろん拒否。そんなのさすがに見たくないです…。妻よ、スマン!

 

そしてその触診の後、先生は、今後僕たちがどうしていくかの道筋を示してくれました。妻のお腹の中には、子宮内膜症(Endometriosis)があるから、まずは、そちらを除去して、自然妊娠を目指しましょうとのこと。それでもダメなら、次のステップになり、以下の2つの選択肢になる。

 

1つ目は、IUI(人工授精)。男性から採取した精液を、女性の膣内に注入する方法。妊娠確率は、先生曰く、5%。

2つ目は、IVF(体外受精)。精子卵子ともに体外に取り出し、そこで受精させる方法。妊娠確率は、先生曰く、20%。

 

ちなみに、僕の英語力では、やはり医学用語を理解するのは非常に困難。先生と妻との会話の内容の数パーセントしか理解できていませんでした。妻から子宮内膜症の綴りを聞いて、インターネットで調べ、ようやく子宮内膜症がどういうもので、妊娠への影響やその手術を後から知るという体たらく。普段の英語も怪しいのに、医学用語なんて厳しいよー。でも、いい勉強にもなります。妊娠のことと、英語が一緒に学べるなんて、一石二鳥!

 

ということで、まずは不妊治療の第一段階として、妻は子宮内膜症の除去手術を受けることに。妊娠だけでも大変そうなのに、妊娠するために手術をしなくちゃならないなんて、なんか夫としては申し訳ないような、かわいそうな気持ちになりました。とは言え、それを除去しないと子どもを持つ確率が低くなってしまうのであれば、やはり受けていただくしかないのも事実。だって、この先に人工授精や体外受精に進むにしたって、子宮内膜症が妊娠を妨げてしまうのであれば、妊娠の確率はやはり低くなってしまいますから。

 

こう状況になってあらためて、妊娠に年齢が密接に関わっているということが疑いようもない事実なんだなー、とつくづく感じてしまいました。でも、僕たちは今が一番若いんだ!若返ることは無理だから、まだ間に合うと思われるこのギリギリのタイミングを逃すわけにはいかないんですよね。

 

僕らの妊活はまだ始まったばかり。妻には痛い思いやつらい思いをさせることが増えるというのは容易に予想がつくけど、同時に、母になる喜びも味わってもらいたいなぁと夫として思いました。

Story 2 本格的に不妊治療がスタート 医者選びとコストについて ここ大事、テストに出ます!

僕は、オーストラリアのクイーンズランド州というところに住んでます。外国人妻と結婚して6年間、子どもができなかったため、いよいよ医者に診てもらおうということになりました。

 

僕(当時43歳)も、妻(当時38歳)も、子どもを作るには相当な高齢ですが、不思議と焦りはありませんでした。ただ、子どもができるタイムリミットが近づいているということは、二人とも感じていました。なんとなく、そういう深刻に考えることを避けてきたけど、もう逃げていられない年齢に達しているのは明らか。

 

ということで、まずは、診てもらう医者探し。こういうのは、やっぱり人づてが一番。今の世の中インターネットでほとんどの情報が出てきますし、病院や医師の評判なんてのも、もちろん掲載されているけれど、実際にネットで評判の良いレストランに行っても、「あれ、イマイチ…?」なんてことも皆さん経験あるはず。ここはやはり、信頼がおける知人の奥さんが利用したGynechorogist(婦人科医)にお世話になることに決めました。ちなみに、オーストラリアの婦人科医は、先述したGynechorogist(婦人科医)と、Obstetrics(産科医)が存在します。不妊治療に関しては、Gynechorogist(婦人科医)に診てもらい、妊娠したらObstetrics(産科医)に診てもらうという順番。もちろん、先生によっては、両方の資格を持っている人もいるので、同じ先生に診てもらうこともあるようです。

 

さて、僕たちが診てもらうと決めた人は私立病院のGynechorogist(婦人科医)専門の先生で、しかもかなり実績のある名医らしい。というか、かなり後で知ったことですけど、QLD州ではその業界で権威のようです。その先生にすべてを託そうということになりました。料金は、覚悟はしていましたが、高額です(汗) こういうところは、日本なんて比べ物にならないくらい、格差社会。お金を払えば、それに見合うサービスを提供してもらえる。逆に、お金が払えなければ、それなりのサービスになるという、いたってシンプルかつ残酷なシステム。例えば、大きな病院に行くと、公立側のビルと私立側のビルが一つの敷地内にあって、私立側の待合室はとてもきれいで、ネスプレッソやらジュースなんかが置いてあったり。また、極端な例ですが、Privateの保険を持っていないと順番を後回しにされ、救急で搬送されても、最悪死に至るなんて話も聞いたことがあります。お金持ちである必要はないかもしれませんが、お金を払える人でないと、満足のいく医療を受けられないと思ってもらって間違いありません。日本の皆さん、これが本当の格差社会というものですよー!

 

オーストラリアはまだ、それでも恵まれていて、日本と同様、Medicare(メディケア)と呼ばれる国民健康保険システムが備わっています。僕たちの妊活にも、保険適用要件に関しては、その恩恵を受けることができました。ありがたや、ありがたや。

 

ところで、決して裕福ではない、投資などの資産もない僕たちが、否が応でも高額になってしまう不妊治療の料金を支払えたのは、結婚以来コツコツ貯めた貯金があったから。日本人の習性ですね、貯金は(笑) そして、こういうときのために使うものと割り切っていたので、高額な医療費ですが、意外にも精神的ダメージはありませんでした。日頃は、「スーパーで何円得した」とか、「あっちのガソリンスタンドのほうがリッター当たり数セント安い!」とか、みみっちくて小さい男なんですが、やるときはやる男なんです!

 

さぁ、何はともあれ、不妊治療が本格的に始まりました。つづく。

Story 1 海外(オーストラリア)で妊活 結婚6年間の不妊でようやく始める不妊治療 でも「これでいいのだ~」

どうも、はじめまして!オーストラリアに在住の「AusJapanMate」です。40代既婚の男性。初回は、結婚して6年の外国人妻との "妊活"、いわゆる不妊治療について書きたいと思います!

 

そもそもどうして夫目線の不妊治療(妊活)ブログを書こうと思ったかというと、僕たちのケースをみんなに知らせないと、って思ったからです。妻と妊活をしていくなかで、なんとなくムズムズするものを感じ、言いたいことがあるけど喉の奥で詰まっていて、出そうか出すまいか迷ってましたが、世の中にたくさんある不妊治療のケースで、「こういうケースもありますよ」って伝えておかないと、っていう思いが募り、気が付いたらGoogleでブログについて調べ始めてました(笑)

 

さて、これから僕が書く妊活関連の記事に関しては、みなさんに理解しておいていただきたいのは、あくまで「男性・夫」目線であるということ。これから結婚される女性や、いま現在、妊活に勤しんでいたり不妊治療に苦しんでおられる女性にはとうてい理解できない思考や言動が多々見受けられる記事や内容になってしまう可能性があると思います。あとは、話が脱線して、余計な話や意見を混ぜ込んでしまうことも往々にしてあるかと思います。

 

でも、男性側は、妊活の精神的・肉体的苦痛を傍(はた)から眺め、それを多少のサポートはすることができるとはいえ、そんなもの微々たるものであると、僕は承知してます。妊娠に至るまでの苦労や、妊娠・出産の苦労を、男性はわかりません。なので、同じ境遇の男性(夫)には、共感してもらえればうれしいですし、女性(妻)には、「こいつら、私がこんなに大変な時に、こんな風に思ってるんだ」と、目の前にいるパートナーをちょっと俯瞰して(もしくは見下して)観察してみるくらいな感じで、読んでくださると幸いです(言い訳…)。

 

それと、もしも長い間、不妊治療や妊活で苦しんでいらっしゃるカップルや女性の方は、海外(オーストラリア)での不妊治療も視野に入れてみるのも選択肢の一つでは?と思ったのも、このブログを書き始めた理由の一つです。なぜなら、この分野に関してオーストラリアという国は、不妊治療が非常に進んでおり、たけており、慣れているから。

 

欧米の国家は、やはり男女平等が進んでいるように見えます。まして、オーストラリアは、多文化主義(Multiculturalism) を謳(うた)っている国家なので、最近話題のLGBTなどに対してもとても敏感で、毎年2月にシドニーではマルディグラと呼ばれるLGBTのフェスティバルが開かれるくらいです。そうした平等な国(を目指そう)なので、女性も男性と同じように働くため、会社で重要なポジションに就いたり、トップになる人も普通にいます。そうするとどうしても晩婚化してしまいます。晩婚化するということは、それはすなわち、不妊の確率が高くなってしまうという側面があります。こればかりは、生物学的に避けられない事実。そうした状況下、不妊治療が発達し、当たり前の治療になったのではと想像に難くありません。

 

不妊治療には、日本同様、お金はたくさんかかる上、海外からわざわざ不妊治療をしにオーストラリアに来るなんて、かなり非現実的に聞こえると思います。オーストラリア人や永住者は不妊治療の保険の適用を受けることができ経済的な援助が得られますが、それらはもちろんありません。よって、かかる費用全額を自費で賄わなければならないという厳しさはあります。でも、子どもを持つという希望には、背に腹は代えられません!

 

不妊治療は日本国内だけではないということを頭の片隅に置いておいてもらえると、少し楽になるかもです。人って、どこかに逃げ道があるってときは、リラックスして事に臨めるじゃないですか?「ここで失敗しても、あっちに行けばいいや」みたいな。で、意外とそのリラックスは、その人の本来の力を引き出してくれる。もし、本当に失敗したりうまく行かなかったときは、それこそ本当にその逃げ道のほうに行くこともできる。

 

物事には、いろんな道や方法があります。たぶんみなさんが思っている以上に。もちろん、そこにいろんな条件が加わることによってその選択肢は自然と狭まっていきますが、それでもやはり、みなさんが思う想像以上だと思います。

 

最初にも書きましたが、こういうケースもあるんだなぁ、って気楽に読んでもらえたらうれしいです。つづく。